出産手当金とは?申請受取手順や支給日、併せて利用したい支給制度

産休・育休中のお母さんを経済的にサポートする出産手当金ですが、近年では女性の社会進出が増えていることもあり妊娠・出産をしても退職せず、産休・育休を取得し職場に復帰するお母さんが増えているため、従来以上に産休・育休を取得するお母さんは増えているのではないでしょうか。

出産手当金はもらえる金額や対象期間がわかりづらいため結局自分の場合いくらをいつもらえるのか不明確でいざ申請しようとする際不安です。いざ出産手当金が必要になる前に出産手当金の基礎や申請手順、計算方法や支給日などを確認しておきましょう。

出産手当金とは

出産手当金とは産休・育休中に給与の支払がなかったお母さんを対象に出産手当金という形でお母さんを経済的にサポートするための手当金です。出産手当金はお母さんが所属している会社が加入している健康保険から支給されるため、産休・育休期間も給与の支払がある会社では適用されませんが、給与支払がない会社では健康保険による出産手当金が適用され受け取ることができます。

(1)よく間違えられる出産育児一時金

出産育児一時金は一般的に出産一時金と短く略されて呼ばれることが多く、略称の出産一時金と出産手当金の名称がよく似ていることから混同して認識されている場合が非常に多いです。さらにどちらも支給元が健康保険ということから余計に混同して認識されやすいのかもしれません。

しかし二つの制度は全くの別制度。名前や制度の目的が似ていること以外は大きく異なります。以下は出産手当金と出産育児一時金の違いについてわかりやすく比較した表になりますので参考にし正しく理解しておきましょう。

 

(2)出産手当金の受取条件

出産手当金は以下の受取条件に該当していれば受け取ることができます。

①在籍している会社が加入している健康保険料を自身で支払っている方(国民健康保険加入者や、扶養者は対象ではありません)

②産休中に職場から給与が支払われなかった方

※出産をきっかけに退職した方は、1年以上の健康保険加入期間、退職日に出勤していない、退職日が出産手当金支給対象期間内に入っていれば対象となります。

 

(3)出産手当金が発生する対象期間

出産手当金には手当金が発生する対象期間というものが存在します。基本的に出産手当金の対象期間は出産前の産前休業出産後の産後休業で分けて考えます。出産前の産前休業は「出産日以前の42日間(出産予定日含む)※多胎妊娠の場合は98日間」、出産後の産後休業は「出産の翌日以後56日目まで」と定められており、予定日通り出産した場合には合計98日間で、仮に予定よりも1週間(7日)早く出産した場合は合計91日間、予定よりも1週間遅れて出産した場合は合計105日間が、出産手当金が発生する対象期間です。

 

出産手当金の申請から受け取るまでの流れ

Step1.勤務先に受給資格があるかどうかを確認

受取条件を前述しましたように出産手当金は会社に勤めていれば必ず受け取れるというわけではありません。場合によっては保険加入期間が条件を満たしていない等の理由によって受給資格がない場合もあるので初めに勤務先の担当者に自分に受給資格があるかないかを必ず確認しましょう。

 

Step2.勤務先の担当者より申請書を受け取る

受給資格があることが確認できたら勤務先の担当者より「健康保険出産手当金支給申請書」を受けとりましょう。会社に用意がなければ全国健康保険協会のウェブページよりダウンロードすることも可能です。

全国健康保険協会『健康保険出産手当金支給申請書』

 

Step3.出産する病院にて医師記入欄に必要事項を記入してもらう

健康保険出産手当金支給申請書には自分が記入する欄以外にも、医師または助産師が記入する欄もありますので出産する病院の医師や助産師に必要事項を記入してもらいましょう。

 

Step4.産休後に勤務先に申請書を提出

産休が終わり次第、作成した健康保険出産手当金支給申請書を勤務先の担当に提出しましょう。勤務先担当が記入する項目に必要事項を記入してもらい、書類をそのまま預けて申請の一連は完了です。

 

Step5.出産手当金受取り

誤解されている方が多いのですが、健康保険出産手当金支給申請書を提出したからといってすぐに出産手当金が受け取れるというわけではありません。受取期間については差がありますが申請書を提出してから2週間〜2ヶ月後には指定の銀行口座に一括で支給されます。

※出産手当金の支給日について

出産手当金の受取期間は申請書提出後2週間から2ヶ月後と前述しましたが、実際はそれに当てはまらないことが多いようです。通常の2週間から2ヶ月後というのも非常に差があり不安な話ですが、人によっては6ヶ月後に振り込まれたという例もあるほど極端。待っているだけでは受取が遅くなることもあるので急ぐ場合は勤務先の担当者または健康保険協会に催促の問い合わせをしてみましょう。

 

出産手当金の計算方法

出産手当金の金額は普段会社から受け取っていた給料によって異なるため少々複雑です。計算のポイントは標準報酬月額。標準報酬月額とは毎月会社から給与として支払われる基本給・各種手当・交通費等を含んだ総額を区分・等級に当てはめた額の事で、地域により区分や等級が異なるため自分がどれにあてはまるのか確認が必要になります。しかし標準報酬月額が明確になれば以下計算式に数字を当てはめて計算するだけで1日あたりの支給額計算が可能になります。

[参考・引用:全国健康保険協会『出産で会社を休んだとき』]

仮に標準報酬月額が25万円だった場合、上記の式に当てはめると、

25万円÷30日×2/3=約5,555円

ここで算出できた約5,555円が1日分の支給額となります。これを支給対象期間の日数に当てはめれば総額を算出することができます。したがって通常の98日間に当てはめ計算すれば544,390円が出産手当金の支給総額となるのです。

,555×98日(あてはまる支給対象期間)=544,390円

 

出産手当金の後は育児休業給付金の申請を

出産手当金以外にも目的が同じで育児休業中の家庭を経済的に支えてくれる給付金制度が存在します。それは“育児休業給付金”という制度。出産手当金は通常、出産前・出産後の合計98日間にわたり受け取れる妊娠・出産を支える手当金のことを指しますが、“育児休業給付金”は出産手当金受給満了後に受け取れる給付金のことを指し赤ちゃんが1歳になる前日まで受け取ることができます。どちらか一方受給可能という制度ではなく両方受けることは可能です。

※子供が保育所に入れないなど特別な場合は1年半に延長可能。(2018年4月以降は2年に変更)

育児給付金で受取れる金額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(休業開始半年以降は50%)相当額」、つまり育児休業に入る前の6ヶ月間分の合計給料を180日で割った金額を30日分かけた67%が支給されます。わかりづらいので育児休業前6ヶ月間の給料を月額30万円と仮定して計算してみましょう。

このように休業開始前6ヶ月間に渡って毎月30万円の給与支給を受けていた場合、育児休業開始後半年間は月額約20万円、半年以降は約15万円の給付金を受け取ることができるので是非出産手当金と併せて利用しましょう。

 

資格喪失後の出産手当金には注意!

出産手当金の受取条件は勤務先が加入している健康保険に健康保険料を支払っていることです。したがって妊娠中に退職し被保険者の資格を喪失してしまうと場合によっては出産手当金を受け取れません。退職日等資格喪失日の前日までに1年以上継続しての被保険者期間があり資格喪失日前日に出産手当金を受給しているか、もしくは受けられる状態であれば支給を受けることができますので、妊娠出産時の退職に伴う健康保険の資格喪失には注意しましょう。

 

ライタープロフィール

 DAY EASY編集部
金融、不動産、人材紹介、WEBメディアなどの業界出身者が集まり、お金や不動産、キャリアなどを軸に女性の人生を明るく豊かなものにするため、各々の専門分野に特化した有益で信頼性の高い情報を発信。

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